平成22年度活動報告 (H.22.12.10)
第2回講演会「隣国を知りましょう」
報告者 召田紀雄
活動日と参加者
活動日 : 平成22年12月10日(金) 10:40〜12:10 天気:晴れ
参加者・・・41名
活動場所
講演者 : 崔 静�先生
講演場所 : 埼玉県障害者交流センター
さいたま市浦和区大原 3−10−1 (TEL
048−834−2222)
活動状況
今年の全体会議後における「講演会」は、放送大学非常勤講師・崔静�先生の講演であった。先生は中国吉林省に生まれ、1990年、中国外交部外国専門家局の推薦により公費で日本に留学。その後、日本の企業で通訳や翻訳業務に従事、現在は(財)さいたま市国際交流協会の評議員を始め埼玉県日中友好協会にも席を置かれ活躍中です。
「隣国を知りましょう」との演題で講演頂きましたが、隣国の中国も漢字を使用して書き綴る文化を持っていることを強調された。しかしながら、同じ漢字を使用しても意味が異なる「字」もあり、興味深かった。例えば、日本においては「汽車」と書けば、機関車が引いて線路上を走る車両の列を意味するが、中国では「汽車」は「車」を意味するという。また、日本において「県」に相当する行政区画は中国では「省」、「市」に相当するそれは「県」と書き表わす。
日本では、生活、生ビール、壬生・・・等「生」と書いても「せい」「なま」「ぶ」・・・等、色々と読み方が異なり「一字多音」であり、また、「採光」「細孔」「再興」・・・と「さいこう」を漢字に直すと沢山あり「一音多字」である。 さらに、日本語は「助詞」の使い方が難しく、例えば「彼を描く・・・」「彼が描く・・・」において、助詞として「を」と「が」が使われているが、助詞1字の違いで全く別の意味になってしまう。
3字で出来ている言葉「しみる」「しぼる」において、第2字目の「み」と「ぼ」の1字が違っているだけであるが、たった1字異なるだけで意味が違ってしまう。「心にしみる・・・」「心にしびれる・・・」においては、似たような表現ではあるが、意味は微妙に違ってくる。
中国人にとってこうした日本の「漢字」「言葉」の文化は、中国とはちょっと違っており、理解するまで勉強するのが大変であったという。先生の父上は満州時代に日本語を習っている由上手で、崔先生も日本語に興味を持っていたという。大学では第2外国語に「日本語」を選択、卒業後は教師を志望していたが、「米糠」に関する論文を日本語に翻訳して出版。父上にその出来栄えを褒められたこともあり、本格的に日本語を勉強するようになったという。従って、現在の崔先生があるのは「父上のお陰」と、私たちに説明してくれた。
国内の日常生活で目に着くものとしては、病院が少なく医療費は日本と比べ大層高い。また、今の中国人は他人と比較する癖があり、「ブランド品」等を身に付け自分を優位に見せ自慢する。話が変るが、観光客を賑わす京劇の人気は下がり気味で、その役者たちは、街に出て市民へのボランティア活動を行い、身につけてきた「芸」を教えているという。
今回は崔先生の実体験に基く講演であった。日本の漢字や言葉文化が中国に比べて変っており、具体的な一面を理解出来た。また、現在の国内事情や崔先生の今に至った経緯等も紹介頂き、とても参考になった。
(完)
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