JALの工場見学「SKY MUSEUM」
―伊奈さいたま会の工場見学に参加してー
モノレールの車窓から、大井競馬場や運河と高層オフィスビルを眺めながら
新整備場駅で下車した。駅出入り口横のネット越しに、間近に飛行機を見ることができ、早くも心躍った。
JALメインテナンスセンタービルでは入館カードのバーコードをゲートにかざして入館した。展示エリアに向かうとまずボーイング777の模型が目に飛び込んできた。
廊下は機内の窓のようなデザインが施されていて、その遊び心が楽しい。
JAL歴代のフライトアテンダントの制服が展示されていた。制服体験コーナーもあり、憧れのユニフォームを身にまとって誇らしげに記念撮影する光景が微笑ましい。
実物大のコックピットの模型も設置され、機長席、副操縦士席に座ることが出来る。私も実際に座ってみて「コックピットの内部はこんなに狭いのですか?」とスタッフに尋ねた。「片手で計器や装置を扱える広さにしてある。高度や方向を表す機器は機長、副操縦士の席の前方に、同じものが設置され、メートルとフィートの両方が表示されている」と説明を受けた。
航空教室で、飛行機の飛ぶしくみや羽田空港の概要を学んだ後、ヘルメットを着用して格納庫へ向かった。整備には、空港に到着してから次に出発するまでの間に行う整備や4〜5年ごとに1度、1か月かけて行われる「点検・重整備」があり、シートやトイレをすべて取り外してすみずみまで調べて整備するそうだ。
格納庫には飛行機が2機入っていた。整備中の飛行機を目の前にして、水平飛行中の機内の気圧は富士山5合目あたりと同じ環境に保たれている事や、主翼の端に取り付けられた小さな翼はウィングレットといい乱気流を最小限に抑え、燃費を向上させる効果がある事を学んだ。また、年間123件もの鳥によるエンジントラブルが発生しているという。エンジンのファンの中央部分に巨大なバンドエイドのようなものが張られていて、回転する事で防鳥に役立つという。この話を聞き、私は初めて海外旅行に行った時、鳥がエンジンに巻き込まれ、機内で4時間以上待たされたことを思い出した。
格納庫の前が滑走路になっていた。私たちの目の前を前輪をあげて、轟音を残して何機もの飛行機が飛び立っていった。
私は、その飛行機に自分自身を乗せて、今旅立つような興奮を抑えきれなかった。
H26.3.7
島田千恵
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