9月10日に企画部主催による平井気象予報士の講演会が「天気予報のうらばなし」と題して開催されました。
事前の予定通り、130人の定員を埋め尽くす盛況の講演会になりました。 久し振りに再会された人達も多く、開演前には賑やかな話声が会場にあふれていました。
山口企画部長の司会により、「いきがい大学伊奈学園
校歌」の斉唱から始まり、平林会長のご挨拶があり、いよいよ平井気象予報士の講演が始まりました。
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司会 山口企画部長 |
平林会長 ご挨拶 |
最初は、ご自身〔 平井 信行 〕のプロフィールの紹介です。
熊本県八代市生まれ 東京学芸大学教育学部を卒業して、財団法人
日本気象協会に入社
その後、財団法人 気象業務支援センター 評議員を経て、現在は株式会社
ウイングに所属
天気予報士、防災士としてご活躍です。
ちなみに、身長は「イチ・ナナ・ナナ」cmです。
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平井気象予報士 講演開始のご挨拶 |
最初のテーマ内容は、
〔 気象用語とお天気クイズ 〕
・気象予報の解説時には、用語の使い方を大切にしている。
例えば昨日の最高気温が30℃で、今日が33℃と予想される場合には、「今日は、昨日の
最高気温を『超える』見込み」と表現する。 また、昨日の最低気温が −5℃ で、今日の
最低気温が −10℃ と予想される場合には、「今日は、昨日の最低気温を『下回る』見込
み」と表現する。
また、本来の「五月晴れ」は、5月の晴れ間ではなく、6月(旧暦の5月)の梅雨の合い間の
晴れ間の事を表現している。
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よどみのないスマートな語り口で熱演する平井気象予報士 |
・「小春日和」とは何時の事?
正解は、11月〜12月(旧暦の10月)頃の良く晴れた温かい日の事
・「五月雨」とは何時の事?
正解は、6月(旧暦5月)の頃に降り続く長雨(梅雨)の事
・夏日は最高温度が25℃以上、真夏日は30℃以上、猛暑日は35℃以上の事
・日本で最高気温が歴代1位は?
正解は、熊谷市で2018年7月23日 41.1℃
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熱心に受講する参加者の皆さん |
次のテーマ内容は、
〔 台風と猛暑 〕
・最近の気象現象として台風の巨大化が心配と言われているが、年毎に日本に上陸した台風の
データを解析してみると大型台風の本土上陸率は例年のバラツキ範囲のなかである。テレビ
で報道される堤防決壊や家屋倒壊の印象が、台風巨大化の印象を与えられる。
過去にもカスリーン台風(昭和22年台風第9号、国際名)の様な関東地方に大災害を与えた
巨大台風が上陸した。
災害を少なく抑えるには、事前の防災対策が一番大切である。
・猛暑の発生日数は、ここ20年間で年々増加している。
過去の猛暑発生日の気圧配置図を見ると、日本列島近辺が「クジラのしっぽ形」の気圧配置
になると猛暑になり易い。
東京の100年間の平均気温上昇は約2℃だが、世界的に非都市部の平均気温上昇は約1℃
である。この事から東京の気温上昇の内訳は、地球規模の温度上昇としての地球環境の変化
(CO2増加、小氷期のパターン変化など)による影響が約1℃、都市化のヒートアイランド
現象による影響が約1℃と解析される。
最後のテーマ内容は、
〔 オリンピック2020
東京大会のマラソン競技〕
・東京大会
男子マラソンが8月9日に行われた場合のシミュレーションとして、過去の天候の
実例では、2017年午前7時の場合、気温 28.3℃、湿度 79%であり、不快指数は80.1
に
達した。 東京大会では大変に厳しい暑さの中でのレースになると予想される。
過去のオリンピックのマラソンにて、厳しい暑さのレースであったギリシャ大会の時が不快
指数80であった。
最後に活発な質疑応答があり、参加者の皆さんの興味深さが伝わった。
平林会長からお礼のご挨拶があり、楽しく貴重な講演は閉会になりました。
(編集;T.HASEGAWA)
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